現在執筆中の本の第一稿を少しずつ公開していく企画、前回はこちらです。
それでは続きをどうぞ。いいねなどをいただけるととても励みになります。
学ぶとは考える×変化であると書きました。その中でも考えることがキーポイントです。
では考えて、どのように変化したいのか。
本書では学ぶの目的は「分かる」ことであるとします。1
分かることは一朝一夕ではできません。
一朝一夕に分かったとしても、簡単に得られるものは誰もが持っているものです。簡単に得られるものは簡単になくなります。
分かったとしても、また分からなくなり、また分かる、そんな繰り返しの営み、それが学ぶこととも言えます。
そう、営みなのです。2
まずは真似から学びは始まります。「学ぶ」の語源は「真似ぶ」であると聞いたことがある方は多いでしょう。3
しかし、学ぶという変化が伴う営みを繰り返していくことで真似からいつしか自分なりの知識や技術が生まれます。
全く新しい知識や技術を生むことは難しいですが、自分なりの組み合わせ、あるいは既存の知識をちがう分野に持ち込んでみたり、それだって素晴らしい自分なりの知識や道具です。
そして自分なりの知識や技術を作れたという経験は、次の知識や技術を学ぶ自身になります。
あくまで自分なりの知識や技術であり、自分だけの知識や経験ではありません。
自分だけの知識や技術というのはかなりハードルが高いです。オリジナリティ、アイデンティティ、オンリーワン、ナンバーワン、世界に一つだけの花。
ちょっと肩が重くなります。
それに自分だけの知識、技術というのは広がりがありません。自分だけということは極論すれば人に伝えない、伝授しないことで成立します。
暗殺拳ですら一子相伝なのです。せっかくの知識や技術が誰にも受け継がれないのはもったいないでしょう。
本書ではまず学ぶ目的である「分かる」、学ぶためのキーポイントである「考える」とは何かについて考えていきます(ややこしい)。
そして次の章ではこの本のキーともなる概念「棚上げ」について、そして実際に私が行っている独学法について紹介し、最後に「みんなで学ぶ」ことについて考えていきます。4
仕事、育児、家事、本の執筆などなどといろいろなものが山積みのなかでどうやって私自身が学ぶことを営んできたかについて書いています。
もちろんもっと忙しい人は山ほどいるとは承知の上ですが、それでもあなたの日々に少しでも活かせるものがあるはずです。
本書を参考にそれぞれの営みの中で、どのように学んでいくかがみえるきっかけになれば、こんなにうれしいことはありません。
なにかもう一段深掘りするか、ずらしたい感覚がある。なにか違和感がある。