学びたいテーマは分かっていても、実際にどこから学び始めればいいのか分からないことってありますよね。
英文法を学びたいとしてもどのレベルの文法から学べばいいのかというのは悩みどころです。
そんな時に使えるのが技法②「可能の階梯」です。可能の階梯は自分がどこから学べばいいのかを見極めるための技法です。
具体的な手順は以下のようになっています。
① 学びたいものをひとつ選び、できること/知っていることを書き出す
② ①のテーマについて、自分が今できること/知っていることを、簡単なもの・初歩的なものから順に並べる
③ 学びの出発点を見極める
『独学大全』より
では、実際にやってみましょう。
まずは学びたいものをひとつ選んで知っていること、できることを書き出します。
わたしも年齢が上がって30後半に入り、どうしてもマネジメントというものが求められる年頃です。
というわけで、「マネジメント」を対象に可能の階梯をやってみましょう。
まずは自分ができること、知っていることについて書き出します。これについてはアウトライナーを使ってフリーライティングしてみました。
なかなか多岐にわたりますね。
フリーライティングした結果は、有料購読者向けに末尾に載せておきます。
書き出すだけでも、自分が知っていることについて書いて頭の中を棚卸しができるので、それだけでも意味がありそうです。
フリーライティングでまず書いたのが「そもそもマネジメントってなんだろう」ですからね。
そこは今回は置いておきまして、可能の階梯として並び替えると以下の図のようになりました。上に行くほど難易度が上であると位置づけています。
一番上の部分が学びの踊り場です。この踊り場から二個下が学び始めるのに適したレベルです。
たとえば「話の聞き方」「1on1ミーティング」などひとりに対してフォーカスしたマネジメントを学んでいくのが良いのではないか、といったことが見極められますね。
正直マネジメントは個々の要素にも習熟度の段階がある気がするのですが、まぁそこは置いておきましょう。
ですが、マネジメントという大きなテーマに対しても、まずはこのあたりから学ぼうと自分なりに納得して決められるのは良いですね。
技法①の「学びの動機付けマップ」でも自分は学ぶ理由を考え直してみたわけですが、独学という背中を押してもらいにくい学び方において、「なぜ学ぶのか」「なぜここから学び始めるのか」といったことについて納得しておくことは、自分の背中を押してくれるはずです。
自分で自分の背中を押すのは難しいので、腰に手を当て、胸を張るようなものかもしれませんね。
他にも学び始めるテーマを選ぶ他の方法としては一番上の難易度から学び始める「パラシュート法」などがあります。
たとえば、パラシュート法は最終目的から学ぶので回り道をしません。時間短縮の可能性もありますし、回り道しない分モチベーションも持ちやすいでしょう。
ただし、難易度は高くなりますし、難しくなれば理解の進みが遅くなる可能性もあります。
しかし、自分がどの難易度の部分を勉強しているのかを把握していれば、レベルを少し下げるなどの対策を打てます。
可能の階梯は学びを進めていく上での地図といえる技法です。
関連書籍・記事
・有料購読者向け付録
実際にフリーライティングした結果の画像です。