こんにちは、ゆうびんやです。
独学ラジオ第一回(前半)をお聞きいただけたでしょうか?
聞いていない方はぜひ、お聞きください。
第1回(前半)「アウトライナーは文章を書いて考えるツール」(Tak.さん)
さて、Tak.さんにとってのアウトライナーの定義の一つが「文章を書いて考えるツール」です。
ではなぜ、文章なのでしょうか?
キーワードを並べたりすることでは考えにくいのでしょうか?
この答えはポッドキャストでもお話しいただいているのですが、改めて思考を整理しておきたいと思います。
まず、アウトライナーは段差を作り、アウトライン表示できます。こんなイメージですね。
そして、上下の位置などを簡単に組み替えることができるツールです。
これはWordなどのツールに対しては自由度が高いように感じますが、アナログのツールと比較すると実は自由度はかなり狭いものとなります。
たとえば付箋であれば上下左右、斜めにおいてみたり、付箋を重ねたりなどなど自由です。
こうした自由度の高い付箋のようなツールであれば、キーワードを書くだけでもその背後に持つ「意味」が表現しやすくなります。
反対の意味を持つキーワードを左右に配置したときに、では真ん中になにがはいるだろうかといったように考えることが可能です。
しかし、アウトライナーではキーワードの背後にある「意味」を位置などで表現するのは難しくなります。
しかし、文章を書けば、キーワードが自分にとってどんな意味を持つのか、そうした文脈、流れを表現することができます。
つまり文章を書くことで流れを表現できるのです。
文章は流れ、方向、ベクトルを持っているとも言えます。
こうした流れを持つ文章をアウトライナーは自在に組み替えることができます。
・似た流れの文章を近くへ配置する
・大きな流れから支流へ流す
・反対の流れをあえてぶつける
こうしたことが意識的、あるいは偶発的に起こります。
特に異なる流れが合流したときに何が起きるでしょうか。
そこには衝突によるエネルギーが発生します。流れと流れが合わさって乱流、渦がおきるかもしれません。
そのエネルギーがアイディアを作るきっかけとなるのではないでしょうか?
アウトライナーはそのきっかけを促すツールとも言えるのです。
さて、アイディアは「既存の要素を新しく組み合わせたもの」と言います。
言ってしまえば簡単です。しかし、既存の要素の周りには、その要素に関連したものがたくさんくっついています。
たとえば「傘をさした男性が一滴も雨にぬれずに駅から家まで帰ることができた理由」を聞かれたとき、あなたはどう答えますか?
(シンキングタイム)
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正解は「傘は日傘で雨は降っていない」からです。
多くの人は傘という言葉から雨を連想します。
こうした既存の要素(傘)をからめとっている繋がり(雨)をどうすれば断つことができるのか?
そのためのエネルギー源が流れと流れの合流にあるのではないでしょうか。
(ちなみにアウトライナーは流れと流れのイメージですが、Scrapboxなどは流れの中に思いもがけないもの(石、釣り竿、魚)が飛び込んでくるイメージがあります)
だからこそアウトライナーは「文章を書いて考えるツール」なのだと思います。
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