あせ ・る[焦る]⦅自他五⦆
①早くしようと、心の中で しきりに思う。
「成功を━・結婚けっこんがおくれて━」
②思いがけないことに出あって、おちつきをなくす。
「こんなことになるとは思わず、さすがに焦った」
いつの間にかなんとなく、焦っていることはありませんか?
そもそも焦りとはなんでしょうか。
辞書を引いてみると冒頭の引用のように「何かしたいことがあるのにできていない」「早くしなければ」「なんとか元に戻さなければ」といったニュアンスがくみ取れます。
そこに見えるのは変化を求める気持ちです。
現状からの変化であれ、現状に戻すための変化であれ、変化が必要なのにできていない、そのことが焦りにつながっています。
その解決策として、よくあげられるのが学ぶことです。
なぜなら学ぶことは自分自身の変化を意味します。
私的定義としては「考える」×「変化」、この組み合わせが簡単に言えば学ぶことだと考えています。
しかし、さらに学ぶことについて考えるのであれば、その材料となるのが『私たちはどう学んでいるのか』です。
学ぶことに対する先入観から抜け出すための本でもあります。
学ぶための目的とよくなるのが思考力などのなんらかの能力を磨くことです。
この「能力」という言葉にはいつでもどこでも発揮できるものというイメージがありますが、それは間違っていると本の中で語られます。
環境や文脈によって、その人が発揮するパフォーマンスは大きく左右されるのです。1
さらに、以前紹介した学習性無気力に関する本『無気力なのにはワケがある』でも、大人は「能力」をもともと持っている、不変的なものと考える傾向にあるとしていました。
能力はもともとある不変のものであり、足りない部分は努力することで補うことができると考えるのです。
「あの人は才能よりも努力の人だ」といった言葉はそうした考え方を裏付けます。能力があれば、努力が必要な量は減ると考えるのです。
では子供はどうかというと、小学校低学年ぐらいの子供までは能力が高い人は努力もしていると考えます。
つまり、能力は能動的に変化させられるものとしてとらえているのです。
そして、大人でもそうした視点を持つことで、学習性無気力に対抗できるのではないかと記されます。
しかし、そうした視点を持てと言われてもそうやすやすとはできません。
だからこそ、『私たちはどう学んでいるのか』はそうした視点を持つためにぴったりの一冊といえます。
学ぶことを学ぶ、そうすることで学びに対する焦りが減らせるはずです。変化は一朝一夕では起きないのですから。
関連
今回ご紹介した一冊
失敗のためには自己肯定感について理解することも必要
以前書いた紹介記事
以下有料の方向け追記です(約600文字)。