毎年一冊本を書いているが、今年はかなり難航していた。実は30,000字近く書いた原稿もあるのだが、もう一度書き直すことにした。
なぜか?
はっきり言えば、書いてみたらそこまでおもしろくならなそう、というか多分つまらないのではないかと思ったのが大きい。
では、なぜそのような原稿になったのか?
それは星がほとんどない夜空から星座をひねり出そうとしていたからだと思っている。
星空にたくさんの星があれば自分の納得のいく星座を描くことができるだろう。
しかし、選択肢もほとんどない状態「この4つの星から正三角形を作らなければ!」みたいなことをやっていれば、自分もほかの人も納得させる星座はできない。
自分がつまらない部分と感じたのは、これまで書いた数が少ない領域だった。
ニュースレターやTwitter、自分だけが見る日記やRoam Researchでもそのことについて書いたことが少なかった部分だ。
それは書きたいことを書くための前段階。
本には流れがあるので書きたいことを書く前に、前準備というかそもそも論のような話を入れる必要がある、というか入れたい。
しかし、その部分について自分が持っている、見つけている星が少なかった。
望遠鏡を使って何とか新しい星をひとつ見つけ、これでなんとか星座を作る道筋が見つかりそうだといった書き方をしていたと思う。
星の発見と星座の創造をいっぺんにやろうとしていたのだ。
限界がある、というか途方もない。
発見と創造を一緒にやっていこうとした結果無理が生じ、無理を通そうとした結果、おもしろく調理できなかった。
そんなとき「むしろ今まで見つけてきたものをもっと生かすべき、メインに据えるべきなのではないか?」と考えて、最初から原稿書き出したらとてもスムーズにいった。
一週間で約6,000文字。自分にとっては悪くない、むしろよいペースだ。
では、書き直す前の原稿に価値がなかったかといえば、そういうわけでもない。
流れがあるからこそ思い至れると部分というのもあるわけで、原稿を書いたことで発見できた星はいくつもあるし、その星が次の原稿でも重要な位置を占めている。
でも本の原稿として書く前にニュースレターで書いたり、ツイートや何なら自分の日記に、もっと小さく書いてみればよかったとも感じている。
先日のまなびトーク!でも、学んだことを書くことの大切さ(人の目に触れるならなお良し)という話が出たが、やはり学んだことは書くべきだし、書くことで学ぶこともできる。
というわけで、もっと「書こう」と思った今日この頃です。
学ぶなら書くべし。