紙を黒く塗り続ける人生を体感できる本(『タタール人の砂漠』)
私たちの知識は頭の中でネットワークになっています。
しかし、私たちが何かを語る時、ネットワークのままではなく、そこから切り出すことが必要です。
その時切り出されたものは固定され、初めて一つのアウトプットになります。レイアウトが固定され、物語になるのです。
では私たちの人生はなにによってレイアウトが決まるのでしょうか。
様々な考えがありますが、その一つが「死」でしょう。
こんなことを考えたきっかけの本がこちら、『タタール人の砂漠』です。
イタリアのブッツァーティが書いた小説で、ドロンゴという若者がほとんど何も起こらない砦でただただ砂漠の向こうから敵が来るのを待ち続けるそんな小説です。
こちらの小説ですが、『賭博黙示録カイジ』に出てくる利根川のこの言葉をまざまざと表現している本です。
30になろうと40になろうと奴らは言…