新入社員にはOJT(オン・ザ・ジョブ・トレーニング)よりもOJP(オン・ザ・ジョブ・プラクティス)が必要だと思います。
というわけで、ブックカタリストを聴いて『たいていのことは20時間で習得できる』を再読しました。
一度読んでいたのですが、再読すると新たな発見がありますね。
本書はスキルを習得するための効率的なステップを紹介する本です。そのためのステップとして分解、学習、除去、練習を提唱しています。
その中で、「あぁ、なるほど!」と思ったのが、練習とトレーニングの切り分けです。
私の中で練習、トレーニングはほぼ同じもののようにとらえていました。
本書では以下のように切り分けています。
練習:身についていないスキルを習得するためのもの
トレーニング:すでに得たスキルを伸ばすためのもの
本書はスキルを習得するためのものなので「練習」が重視されます。
例えば、ボールを遠くに投げるスキルを考えてみましょう。
ボールを遠くに投げるには、力をボールに効果的に伝えるフォームが必要です。
そのフォームを身に着けるためには練習が必要になります。
しかし、どれだけフォームが適切になったとしても、投げるためには力が必要です。
そのためには筋力トレーニングをする必要があります。そう、トレーニングです。
このような練習とトレーニングのちがいが分かるだけでも大きいと思います。
冒頭のOJTでいえば、入社してすぐのスキルも身についていない状態であれば、「トレーニング」するよりも、「練習」の段階を踏むことでまずはスキルを習得する必要があるはずです。OJTよりもOJPです。
仕事以外でも、いま自分に必要なのはスキルの習得か、スキルを伸ばすことなのかをを意識することで、自分が今やるべきことが分かってくると思います。
そうしたちがいが見えてくる『たいていのことは20時間で習得できる』、おすすめです。
ただ9章中最初の3章がスキルをどう身につけるかについて解説し、あとの6章は著者の具体例なので、人によっては読むのは最初の3章だけでもいいかもしれません。
ここからは有料の方向けに、スキルの領域なのに、能力や才能と考えてしまうと損するのではないかという話です。