目標を達成できなかったときに自分をダメだと思う必要は全くない
先日行った独学同好会のイベント「まなびトーク!」のテーマのひとつが「来年の目標はどうしよう?」でした。
ということで目標についてわいわい話していたわけですが、その中で「目標を立てる」という言葉は「目標を自分より上にしている」という話がチラッと出まして、イベントが終わった後もその言葉が心に残っていました。
例えば「上司を立てる」は「上司の面目を保つようにする」意味になりますし、「見張りを立てる」は「ある役割を人に持たせる」ことです。
つまり、「立てる」は自分の外にあるものを対象とすることになります。(例外としては「身を立てる」と言えば、「絵描きとして身を立てる」のように自分が対象になりますね)
目標が「立てられる」ということは、無意識のうちに自分の外側に置いてしまっているということです。
会社の目標であれば自分の外側から降ってくることもあるでしょう。しかし、自分で目標を立てた時も、なぜ目標を外側においてしまうのでしょうか?
先ほど「会社の目標」と書きましたが、実は「会社」という存在が目標を作るわけではありません(『サピエンス全史』でいうところの「虚構」ですね)。
上司か経営陣か、同僚かわかりませんが、誰かが目標を立てています。しかし、それを見落としているのです。
そして私たちは「自分の目標」でも、同じように目標を立てた「自分」を忘れます。正確に言えば目標を立てた「過去の自分」です。
たとえば正月に目標を立てたとして、一か月ほど先に目標を振り返ったとき、私たちはただただそれを「目標」としてみます。
その背後には「正月の自分」という過去の自分がいて、さらに目標を作るまでの思考の流れがあったはずです。
たとえば「英語を勉強する」という目標を立てた理由は、「海外と仕事でよくミーティングをするから」なのか、それとも「お気に入りの海外ドラマを字幕なしで観たいから」なのか。
そして一か月後にもし海外とのミーティングがなくなったとき、あるいはお気に入りの海外ドラマへの熱が下がってきたとき、「英語を勉強する」という目標は、今の自分には合っていないことになります。
しかし、過去の自分を忘れ、「会社の目標」のように背後にいる人も見落としたままでは「英語を勉強する」という目標は自分から切り離されたものになります。
そして目標には自分の理想が含まれているので、目標は現実の自分よりも上位に位置付けられやすくなります。
ですから「英語を勉強する」という目標を達成しなければと思ってしまうのです。
しかし、目標を立てた時から状況が変わっていれば、目標を達成する意味も変わります。そんな状態で無理して突き進んでも目標を達成できる確率は低くなるでしょう。
しかし、目標の背後にいる「過去の自分」を忘れた時、「目標を達成できない自分はなんてダメなんだ」と思いかねません。
思い出してください、「自分の目標」の背後には「過去の自分」がいるのです。同じ自分なのです。同じ自分をなぜ自分の上位に置く必要があるのでしょう。
過去の自分と今の自分を擦り合わせる、それが最初のステップになるはずです。
過去の自分に「ははぁ」と首を垂れる必要はないのです(もちろん会社へも必要はありません)。
目標を達成できなかった時は、過去の自分と同じテーブルに座りましょう。
そのためには、目標を立てるときには、なぜその目標を立てたのか、その理由も一緒に記録しておくことが必要です。
それが、過去の自分と同じテーブルに座るための一歩目となるでしょう。
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