星空に混ざる人工衛星に気をつけて
人間には歴史があります。過去を思い出すと、点と点がつながるように自分なりの物語がそこにあることに気づきます。
その点のつながりは、まるで夜空に描かれる星座の様です。星座にはギリシャ神話などをモチーフにした物語を宿されています。
私たちひとりひとりの夜空にも、私たちそれぞれの星座があり、物語があります。
しかし、SNS、ネットニュース、炎上、フィルターバブル、スマホの通知といった私たちの注意を惹くものが現代にはたくさんあります。
まるで地上を埋め尽くすネオンのように、その光は見えるはずの星を消してしまうでしょう。
デジタルデトックスや瞑想が注目されるのは、光を消して、夜空を見上げたいという欲求もあるのではないでしょうか。
しかし、きれいな夜空が見えたとしてもそこには自分の星だけがあるわけではありません。他人の星が混ざることも当然あり得ます。
常識、親の期待、「男らしさ、女らしさ」という言葉、さまざまな星が混ざるでしょう。最近は「こうあるべき」という情報も多く流れてきています。
それは人間が人と人のなかで生きるからには仕方のないことです。
ですが、そこには自分以外の星が人工衛星のように混じっていることも知っておいた方が良いでしょう。
現実にも人工衛星は多く、将来的には人工衛星が夜空を覆いつくすことすらあり得ます。
たとえばイーロンマスクの経営するSpaceXが構築しているスターリンク構想です。人工衛星を使ってネットがつながらない地域をなくそうという試みです。
これ自体は賛否あると思いますが、否定的な意見のひとつとして、星空が12,000基の人工衛星で埋め尽くされるのではという懸念されています。
詳しくは以下の記事を参照してください。
星空の血の雫|SPACE SHIP PEQUOD CREW|note
そして、これと同じことがすでに私たち自身の夜空にも起きています。
日々の生活の中で周りに気を使い、身なりはきれいにし、他人に迷惑はかけず、健康には気を使う。
なんとなく当たり前の価値観になってきていますが、昔はそこまで当たり前ではなかったはずです。
あるいは、好きなことで生きていくという言葉がwantではなく、have toとして受け止めている人もいるかもしれません。
それは本当に「自分の星」でしょうか?
夜空にそんな星があったとき、それを星座に組み込むとき、自分の物語としてしまうとき、すこし思い出してみてください。
それは本当に自分の物語ですか?
夜空を注意深く見てみてください。
絵本で描かれるように、夜空の星を掃除する。そんな作業が必要かもしれません。
この星は何だろうと考えるとき、きっと独学が役立つでしょう。歴史や哲学、学んだことはこの星は違うかもと夜空を揺さぶるはずです。
自分の星を見つけたいとき、きっと日記が役立つでしょう。
自分以外の星はあってもいいのです。ただその星がどんな星なのかを考えてみた方がいいと思うのです。
他人の星があるのがだめなのではなく、いつの間にか入り込んだ人工衛星に注意を向けてみた方がいいと思うのです。
自分の夜空をもう一度眺めてみましょう。
そこに「人工衛星」はありませんか?