何かを学ぶときに、何も書かない人はあまりいないと思います。
たとえば学校ではノートを書きますし、本を読むときも線を引いたり、読書メモを書いたりします。仕事の研修などでもメモを取りますね。
では、なぜ書いたほうがいいのかというと、理由の一つは自分の頭の中を再構築できるからです。
ほんのちょっと自分の頭の中を変えることができます。
頭の中の思考は、本人にとっても分かっているようであいまいです。
文字で考えているようで、イメージでも考えていて、それが合わさっているぐわんぐわんしているというのか、私にとっての思考の感覚です。
それは何か記憶を思い出すときの感覚にも似ている気がしています。
何かを思い出す時、それは記憶を引き出しからそのまま取り出すようなものではなく、記憶の材料のようなものを脳がより集めて再構成させているといった方が正確でしょう。
ですから、人の記憶は容易に変わります。
事件に関する証言を繰り返し話しているうちに、内容がどんどん変わっていってしまうという話は耳にしたことがあるのではないでしょうか。
あるいは、人の顔を言語で表現することで、逆に実際のイメージと記憶が離れてしまう言語隠蔽効果もその例となるでしょう。
そして、思い出すときに頭の中にあるものが再構築されるように、書くことは自分の頭の中のぐわんぐわんしている何かを、外に出力できる形で再構築する行為でもあると感じています。
言語隠蔽効果は、その再構成がネガティブな方向に発揮された例と言えます。
しかし、学ぶとは自分自身を変化させることであると考えれば、自分の頭の中を再構築、つまり変化させる「書く」という行為は、学びのきっかけとなるのです。
だからこそ、まずは書いてみる。それが学ぶための第一歩となります。
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以下は有料の方向けに書くことのもう一つの効果についてです。