先日発売した『忙しくて学べないと焦っているあなたのための「棚上げ」学習法』の「はじめに」を全文公開します。
お楽しみいただけたら嬉しいです。
はじめに
「忙しくても学んでおかないとまずいのかも」
「時間はないけど、この本は読んでおかないとなぁ」
「SNSで流れてくる知識・用語が分からない」
こんな風に感じている人も多いのではないでしょうか? 学び直しや生涯学習、独学といったワードを目にする機会も多くなっています。
今までに学んだことだけでは今後の長い人生に対応できないのではないか。
人生100年という言葉がすでに定着し始めたように人生を楽しむ時間も増えたと同時に、社会の変化にも対応していかないといけないと焦る気持ちもあります。
過去10年の変化だけでも目まぐるしかったのに、今後生きていく中で一体どう変わっていくというのか。
自分の学びたいことを突き詰めたい方もいらっしゃるでしょう。学ばなければ、変化しなければ、どこかに焦りを抱えながらも、忙しい毎日がそんな気持ちを押し流していってしまいます。
そして、そのことにまた焦りを覚えてしまう。この本は忙しくても学ばなくてはならないと焦っている、そんなあなたのために書いた本です。
注意していただきたいのは、あっという間に効果が出る超効率的学習法のような内容ではありません。日々の生活の中で焦らずに学びを営んでいく、そのための本です。今すぐに結果を出したいといった目的には向いておりません。
しかし、学ぶとは、分かるとは、考えるとは何なのかにもう一度注意を向けて考え直してみること。それは遠回りのようで一番の近道になると考えています。
では、そもそも学ぶとは何でしょうか? 辞書を引いてみましょう。
まな・ぶ【学ぶ】
❶見習って知識・知恵・技術などを身につける。
❷教えを受けて知識や技術を習得する。
❸経験を通して貴重な知恵を得る。
『明鏡国語辞典』
まずいえることは自分自身の「変化」です。
「身につける」「習得する」「知恵を得る」すべて自分自身が変化したことを示しています。では変化=学びなのかといえばそうではないでしょう。
たとえば、身長が伸びることは学びではありません。あるいは梅干を食べた経験から、次から梅干を見た時によだれがでるようになる、これは学びというよりは条件反射の習得といえます。
学びは変化を伴いますが、変化したからといって学びではないのです。
ではどのような「変化」が「学び」といえるのか。変化を学びたらしめる、その重要な要素が「考える」ことだと本書では提案します。
学ぶとは考える×変化です。考えが伴わない変化は学びとはなりません。考えていても変化が伴わなければ、学んだことにはなりません。
同じことをずっと考え続けてドツボにハマった経験は誰しもあると思いますし、それは考えているというよりは悩んでいるといった方がいいでしょう。
もちろん雨水が壁を穿つように、変化を伴わなくても考え続けることがブレイクスルーにつながることもあります。
だからこそ、学ぶためには考えることにもう一度注意を向ける必要があります。学ぶためには考えることがキーポイントなのです。
そして、考えることの裏には「変化したい」という想いが裏に隠れています。
学習とは「考える」の裏に隠れている「変化したい」という想いを変化に繋げる行為なのです。そして変化はあくまで考えた結果起きるものなのです。
では、考えるためにはどうすればいいのか。焦らないためにはどうすればいいのか。
そこにある共通点が「棚上げ」という行為です。
棚上げはどちらかといえば、忌避されがちな行為です。責任転嫁や言い逃れというイメージがつきまといます。しかし、それは複雑で分かり難い現実に対応するひとつの手段なのです。
本書ではその棚上げと考えることや学習法の関係についても考えていきます。
棚上げについて学ぶ、棚上げを使って学ぶ。
あなたの生活の中に、棚上げという選択肢を。
この本が、そんな視点を得るきっかけとなれば、こんなにうれしいことはありません。
最後に書いている私自身について簡単に。
一児の父として、仕事、育児、家事など日々の生活に追われながらも、こうした本の執筆や独学同好会の運営などをやっています。
忙しいなかでも、どうやって学んでいくか、そんなことをずっと考えてきました。本当に学べているのだろうかと悩んだこともあります。
学びのプロフェッショナルでもなんでもありませんが、平凡な私だからこそ、あなたとも共通する何かがあると思っています。もちろん書いている内容は私の経験や思考だけでなく、末尾の参考文献なども根拠に執筆されています。
自己紹介はこれぐらいにして、早速内容に入っていきましょう。
1章ではまず「分かる」ことについて考えていきます。
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