コーチングはなにを「するようにするの」か?
独学ラジオ第4回後半配信しました。会員限定のボーナストラックも配信しますので、よろしければぜひご検討ください
さて、独学ラジオ第4回後半のタイトルは「できるようにするを超えて、するようにする」です。
コーチングはクライアントが「するようにする」仕事であるというお話から、このタイトルにしました。
では、何を「するようにする」のでしょう。
そのヒントとなりそうなものが「足場かけ」です。
この言葉は先月ご紹介した『英語独習法』の著者今井むつみさんの『ことば力と思考力』で出てくる言葉です。
子どもの思考力に関する本なのですが、育児にとても参考になることが書いてあります。
その中で「足場かけ」という言葉がでてきます。
子どもがひとりでは登れない大きな段差をイメージしてください。
子どもがこの段差を上がる方法として2つの方法が考えられます。
大人が段差の上から引っ張り上げるのか。それとも時間がかかってもいいので、子供が足場をつくるのを見守り、時には少しだけ手伝うことでじぶんで段差を登れるようにするのか。
後者が「足場かけ」です。
子供ひとりでは発見できないことを、大人の足場かけによって子ども自身が発見できるように促すこと、それが思考力を育てるうえで重要であるとしています(このとき大人は答えを教えません)。
ティーチングとコーチングに分けるのであれば、「足場かけ」はコーチングといえるでしょう。
コーチングは足場かけを見守り、アドバイスし、応援する仕事であるといえます。
では足場かけによって段差を上った先には何があるでしょうか?
段差の先にはまた新しい段差が出てくるでしょう。
しかし、段差を上った体験があれば自分だけで試行錯誤して段差を登れる日が来るはずです(その間のコーチングも有効ですね)。
コーチング、足場かけをしてもらった人の先にあるもの、それは段差を上るための試行錯誤を「するようにする」ことなのではないでしょうか。
そしてこれは子供だけでなく、教育に関わる様々な場面にも通じるのではしょうか。
自分でよく噛んだ食べ物はおなかにたまります。流動食はおなかにたまりません。かみごたえがないのです。
具体的な事例を挙げると「生成効果」というものがあります。
自分自身で考え、答えを出そうとしたとき、たとえその答えが間違っていたとしても、そのあとの学習効果はよりアップするのです。
自分一人で答えを出そう(生成しよう)と奮闘することは、たとえ出した答えが間違っていても、その後の学びは強化される。
—『RANGE(レンジ) 知識の「幅」が最強の武器になる』デイビッド・エプスタイン著
試行錯誤を「するようにする」ことは、短期的には段差の下にとどまる時間が長くなるでしょう。
しかし、長期的に見れば自分自身で一つずつ段差を上っていけるようになるはずです。
ドクガククエスチョン
Q. 自分自身に対して「足場かけ」をすることはできますか?
10秒でもいいので、考えてみてくださいね。メールに返信いただくか、Twitterなどに記事と一緒にtweetしていただけたら嬉しいです。
ゆうびんやでした。