本を読んで「理解した!」と思っても、実は全然理解してないことありませんか?
わたしはよくあります。
「わかった!」と思っていたものでさえ、数日後には「えーっと…どういうことだっけ?」となることもしょっちゅうです。
しかし、これは当たり前のことです。何の不思議もありません。
学生生活を思い出してみれば、分かったと思っても問題を解こうとすると解けないといった経験は誰でもするはずです。
そう、自分の「分かった」を試すには問題、テスト、クイズ、そんなタイミングが必要なのです。
しかし、学生でなくなるとそういった機会は激減してしまいます。
ないならば作ればいいじゃない、むしろ作る方がもっと勉強になるじゃない。
ということで、作られたのが今回のクイズです。
読者にはクイズを楽しんでいただき、私は勉強になる。一石二鳥ですね。
今回は5問のクイズを作りました。
回答は私なりに精査していますが、何か怪しいなと思ったら、コメントなどで指摘してもらえたらうれしいです。
それが私にとっても、そして多分指摘してくださった方にも一番の勉強になります。
ではご気軽にどうぞー
独学クイズ
① チェッカーズ錯視(またはチェッカーシャドウ錯視)において、どの現象が起こりますか?ひとつ選択してください。
選択肢:
同じ色の隣接した正方形が異なる色に見える。
一定の距離で見ると、正方形が円に見える。
同じ色の正方形が、異なる環境下と認識されると違う色に見える。
正方形の配置によって、直線が曲がって見える。
②光電効果についての正しい説明はどれでしょう?ひとつ選択してください。
選択肢:
光が物質に当たると、その物質は光を反射し、熱を帯びる。
特定の周波数以上の光が金属に当たると、金属から電子が放出される。
光は波としての性質のみを持ち、粒子としての性質は持たない。
光電効果は、光の強度に比例して電子の放出速度が増加する現象である。
③「砂糖革命」とは何を指す言葉でしょう?ひとつ選択してください。
選択肢:
17世紀にヨーロッパで発生した、砂糖の製造技術の革新的な進歩。
19世紀に起こった、砂糖に関連する輸出入貿易の大規模な変化。
17世紀からカリブ海域で起こった、砂糖産業の拡大とそれに伴う経済・社会構造の変化。
20世紀初頭にアメリカで起こった、砂糖に代わる甘味料の開発と普及。
④17世紀のネーデルランドで静物画が流行した主な理由は何ですか?ひとつ選択してください。
選択肢:
貴族や王室の肖像画が法律により禁止されたため、代替として静物画が流行した
当時のネーデルランドは海洋貿易で大きな繁栄を遂げ、豊かさを象徴する静物画が高い需要を持った
大規模な農業革命により、農作物を題材にした静物画が人気を博した。
極端な気候変動により、屋外での風景画の制作が困難になり、室内で描かれる静物画が主流になった。
⑤生成AIにおける「ハルシネーション」とは、どのような現象を指すでしょうか?ひとつ選択してください。
選択肢:
AIが実際には存在しないデータを基に、新しい情報を創造すること。
AIが過去のデータを基に未来の出来事を予測すること。
AIが特定のデータパターンを誤って認識し、不正確な結果を出力すること。
AIが過剰な計算資源を使用してしまい、システムの過負荷を引き起こすこと。
答え
①:答えは3です。同じ色のはずの正方形が、影のある環境下と認識されることで補正されて違う色に見える錯視です。
下の図のAとBは絶対違う色ですよね?でも同じ色なんです。『脳は世界をどう見ているのか』で出てきました。私たちは見たままを見ているのではなく補正されているというのがよくわかります。
②:答えは選択肢2です。光電効果は、特定の振動数以上の光(つまり、十分なエネルギーを持つ光)が金属に当たると、金属から電子が放出される現象です。ちなみに選択肢4の場合は、明るさでは振動数は増えず、光子の量が増えるため、放出される電子の量が変わります。『量子とはなんだろう?』を参考にしています。おもしろいですね。
③:正解は選択肢3です。「砂糖革命」という用語は、特にカリブ海地域において17世紀から18世紀にかけて砂糖産業が急速に成長し、それに伴い社会経済的な大きな変化が生じた現象を指します。砂糖栽培の特徴の一つとして、栽培と製糖は重労働で工場のような集団労働が必要となることがあり、この特徴から奴隷制とも結びつきます(参考『砂糖の世界史』より)
④:17世紀のネーデルランドは海洋貿易で大きな繁栄を遂げたため、裕福な市民がパトロンとなることができました。そうした豊かさや繁栄を象徴する静物画の需要を高めまったことが要因の一つです。また、宗教革命により大型の宗教画の需要がなくなったことも影響しています。
⑤答えは選択肢1です。生成AIにおける「ハルシネーション」とは、AIが実際には存在しない、または学習データに含まれていない情報を基に新しい情報や内容を創造出してしまう現象を指します。